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by tekumaku_w

麗江の「ぼん」その2

さて麗江の「ぼん」話のつづき。

ええっと高台につれていってもらうことにした、というところで終わっていたと思いますが、カメラ機材の一部を進んで持ってくれながら、古城エリアから細い石畳の坂道をずんずんY青年はのぼっていきます。やたら疲れるなー 最近筋トレしてないからかなー、と思ったら、ここは標高2000メートル越える高地、油断してましたが、やはり空気は薄いのです。ゼイゼイ。

といっても幸いさほど時間はかからず、高台に出ました。つれていってもらったのは、電視台、つまりテレビ塔の立っている高台、そばには小学校があります。むろん「ぼん」に聞いたら「ここの小学校に通っていた」というわけで、ここはぼんの地元なわけです。

帰りがけに「家によって茶でも飲んでください」と誘うぼん。そりゃー疲れてるからこれ幸いとみんなで寄らせてもらいました。その高台に曲がる角にあるのがぼんの家でした。間口は狭いが立派な門がありそこから奥に入っていくと中庭になっていて、そこになーんと再び立派な書で名前がかかれた泉コーナーが。泉コーナーといっても自然の天然岩でかこまれた半円状の水場。のぞくと確かに奥からもよもよと水がわいています。きれーいな透明な水です。名水のある神社でよくお水取りをしてる私はすぐ飲んでみたくなり、ひしゃくですくって飲んでみました。するとさすが柔らかくてあまーい、いい水です。

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泉は手前の囲いと奥の囲いと2つにわかれていて中でつながっています。ぼんは手前から必死に水をかきだして植木や外の石場に水まきをしはじめました。こうして手前の水位を下げると奥の泉本体から新しい水がたくさんわきあがってくるのだそうです。これを1時間ごとにすると常に新しいいい水がわいてくるんだそうで、ほほーすばらしい天然の水循環システム。

ここの泉の水質はそうとういいらしく、先日も日本の大学関係の専門家が調査にやってきたとぼんは説明・泉の上には小部屋がありそこに泉の説明が書いてありました。翻訳してもらうと、心肺を清め内蔵にもよく、料理にも適しているとやらで、100年以上の歴史を持っているようです。

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解説が終わるとぼんはテーブル前に腰を下ろして茶の準備に入ります。いや正確煮言うと、腰を下ろす前に庭に面した小さな部屋のパソコンをちょこちょこ設定し、パソから琴だから胡弓だかの古典音楽を流して雰囲気をもりあげながら、茶をたてます。中庭にはテーブルがあり、そこにすでに茶芸のための簡単な用意ができていました。時間があるときはぼんは毎朝ここで最低ポット2杯の水で茶を飲むのだそうです。もちろん知り合いや友達を招くことも多く、茶を入れる手つきは手慣れたもの。プーアール茶はもちろん私もよく飲みますが、円盤系にきっちり固められたプーアールをどうやって切るのかいまいちわからなかったのですが、ぼんのナイフを使う手さばきをみて、おぉ、これぞ本場の茶葉カット!と感心しました。うすーく必要な量の茶葉をカッティングするんですねー。さすがー。

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そしてふたのついた茶碗に入れ、そこにわかしたての熱湯を注ぎ、小さな湯飲みに注ぎすすめてくれます。おままごとのようなミニゆのみなのであっというまに飲み干しちゃうんだけどそうするとすぐさままたぼんが注ぎ足す、その繰り返しで、これが大変。もぅ悪いからいいよーって思うんだけど、どんどんお湯わかしてどんどん入れちゃう。しばらくすると、また別の茶葉で飲んでみてくれと、新たに違う茶葉をカッティングしてまた入れ始める。さすがにおなかがお茶でタポタポになっちゃうよーと思ってそういうと、「1日ポット2杯ぶんくらいの茶を飲んだほうがいい 肌にもいいのだ」というぼん。頼んでもいないのに、美容ネタにしてくれてありがとうってかんじです。「1日ポット2杯ぶんくらいの茶を飲んだほうがいい 肌にもいいのだ」というぼん。頼んでもいないのに、美容ネタにしてくれてありがとうってかんじです。

あとで思ったのですが麗江の気候って高原気候だからえらい乾いているのね。唇が乾いて日本では考えられないほど何度もリップクリーム塗らないといけないくらい。ということは確かに肌も乾く。これは郷にいれば郷に従えの賢い生活の知恵なのだなーと思いました。

さて、家に泉のあるぼん宅ですが、「麗江ってこういうふうに庭に泉のあるおうちって多いんですか?」と聞いてもらうと「うち1軒だけです」とキッパリ。へーぇ、ものすごいお宅に来てしまったのねとようやく事の重要性に気づく一行。

「そしたらご近所の人がくみにきたりするんでしょうか」と尋ねると「水道がないころはみんなくみにきていて誰にでもあげていた」とぼん。そして「その昔、日照りで雨がふらず、雨乞いの祈祷が行われたことがあるらしいが、そのときもこの泉は枯れなかった」とナニゲに付け加える。どうやらこの泉はえらい由緒と生命力にあふれているようなのだ。すばらしいですねー。しかもそれを大事にまもりつつ、必要な人には分け与える、このY家は相当な名家みたいです。「回りの古い家はみんな売って自分らは新市街のマンションに引っ越してしまった人が多いけど家はここにずっと住み続けている」と自負を持って語るぼん。いちいちおっしゃることがチャラくなく、まっとうなのであります。時代に流されない誇りある生き方というのかな。

本人20代後半、ゲストハウスの取り締まりを頼まれて勤務中。だがその実は実家に由緒ある泉のわくお坊ちゃん。おりあらば家に人を招き自ら茶芸で人を接客する。そのガツガツしない生活っぷりはどこか京都の名家のぼんを思わせ、ここにY青年には「麗江のぼん」という呼び名が与えられたのでした。

後日、ゲストハウスでパソにはりつくぼん。なにかと思ったらサッカーLOTOです。こんなところもめちゃ「ぼん」っぽい。いろいろお世話になったので、隊長と相談して新市街の洋品店をくまなく探索して最も許せる趣味のYシャツを贈りました。ぼんはいつもいちおうジャケットを着ているのです。隊長がその後で会ったら、ぼんは「やぁーきみたち、素敵なシャツをありがとう」とたいそうお喜びだったとか。ぼんのお眼鏡にかなってよかったでございます(-。-)/
by tekumaku_w | 2006-09-12 21:09 | 旅先から