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by tekumaku_w

CAPRICEやっぱり大好き

今日は香港ゴハンの話です。

香港なのに広東料理でなくフレンチ。というのも、私はもはや日本ではほとんどフレンチ食べなくなってるんですが、フォーシーズンズ香港のダイニング、カプリスにはやっぱり久しぶりに行きたくて行ってみたら、またも大正解。以前、ニューテクマクになる前、たぶん昨年末にもカプリスいいですよーという話を書いたと思うんですが、そのときはランチ利用でした。

その後、今年2月の取材時にも実は行ったのですが、今回もまた日本からFSのレセプション通して予約入れておき(でないと席とれなくなるので)、めでたく再訪してみたのでした。

私がここを好きな理由は、料理の味がよいだけでなく、デザートもサービスも、景色も、
ワインのそろえもよく、バランスがとれているからなの。どの分野においてもさすがなプロフェッショナルなわけですよ。

その理由は、シェフ、パティシエ、ソムリエ、そしてレストランマネージャーの4人がパリのジョルジュサンクフォーシーズンズ内のミシュラン★つきレストラン「ル サンク」からはるばるチーム出張しているからなの。料理人だけがきてもフロアサービスがこなれていなかったり、フロアでマネージャーが威張っていても料理がいまいちだったり、料理はいいけどシメのデッセルがダメだったり、ワインがしょぼかったり、フレンチっていろんな要素が足並み揃ってはじめて、テンポよく楽しめる、最初から最後に至るまでのリズムがとても大事だと思うわけです。ここはそれがとてもよいので、席に通されるところから最後に見送られるところまで、いちども嫌な思いをしないのです。ずーっと、美味しい、気持ちいい、楽しい、あーよかった、と帰れること、これはとても大切なんですね。とくに旅先のレストランでは。


今回は前菜×1 メイン×1 デザート×1 を選ぶコース設定。前菜の中にフランス ペリゴール地方のトリュフのエスプレッソというスープがあったので、それにし、メインは悩んだ末やはり魚にしました。ここまで決めて、ワインも1杯白をのもうかなーと思って、初めて会うフランス人スタッフに「ワインをグラスで頼みたいんだけどこれとこれはどう味に違いがあるんですか?」と聞いたら、その人はそれはもう立て板に水で、2つのワインの味の特徴を説明してくれました。その描写がまたすばらしく、飲んでいないのにもぅ飲んだ気にさせるわけ。すばらしいソムリエだなーと思って「いつからいるんですか?いままで2回きたけどいませんでしたよね」と聞いたら

「おそれながら私こちらのマネージャーでして、こちらがオープンする前の昨年7月より赴任しております」 だそうで、こりゃ失礼いたしました。いままで彼の休みの日に限って食べに行っていたんですね。 さっすがマネージャ様、手が足りないと見るや席にかけつけワインの説明もおこなってくださるわけです。ブラボー

彼のおかげで好みピッタリの白ワインにありつけ、まずはつきだしをいただく。そして出てきたのが、トリュフのエスプレッソです。これはまさにエスプレッソのように珈琲色のスープがカップに入ってでてきます。その上にカカオならぬ、黒トリュフの粉がぱらぱらとふりかけてあります。どひゃー そして味は濃厚。ちょっと量が多いのでこれでおなかいっぱいになっちゃいそうです。ふぅ。

メインは白身魚。実際このころまでには、パンもうまいのでもりもり食べてしまい、結構おなかいっぱいに。魚は正直ちょっと塩気がつよかったということもあり、少しだけにして残してしまいました。

さてここでデザートを決める作業です。またしても相当悩んだ末に、ショコラとカカオでできたデザートにしてみました。もちろん自分で選んだデザートの前に 口直しが入ります。私達がアバンデセールと呼んだらくだんのマネージャー様 

「ふぅむ フランス語ではアバンデセールとはいいませんねー プレ・デセールです。アバン(avant)はなになにをする でもその前にと、文章をつなぐときに使いますねー デセールみたいに名詞の前にはプレ(pre- )を使います だからプレ・デセールといいます」

と教えてくれました。私はアバン・デセールってどこで覚えたんでしょ。これからは、プレ・デセールといわなくちゃ。

このショコラとカカオのデセール、まったく作為的な砂糖がはいっておらず、甘味はショコラとカカオそのものが持っている甘さのみでできていました。すばらしい、オトナの味です。なので変な甘ったるさが口に残らず、とてもよかったです。この日、パティシェのシェフはお休みだったにもかかわらず、ここまできちんとしたデセールが出せるなんて、こちらのスタッフもだいぶ育ったようです。

食後は場所をバールに移し(といってもここのバールにはハーバーから九龍サイドを見晴らす景色のよいテーブルとソファ席もあるのだ)、お茶タイム。最後まで気持ちよく過ごせました。

はーこういうオトナが満足できるフレンチがあるのはいいですね。香港での食はまず飲茶や広東料理だけど、1食はいつもカプリス。ここでフレンチ食べておくと、日本でしばらくフレンチ食べなくても満足感がつづくのです。フレンチ嫌いな友人も、カプリスでなら、食べられるといってつきあってくれるのです。


奇をてらった飾りつけがしてあるわけでもなく、びっくりするような素材が使われてるわけでもなく、きっちりフレンチの基本の素材で基本な味なのだけど、そこにちょこっとだけカプリスならではのヒネりがあり、そしてそれを引き立てるワインをしっかり薦めてくれて、食事を食べるのが気分いいように案内し、説明し、スピーディに運んでくれるサーブ係がいて、やっぱり食べることは、食べる皿だけの話ではなく、食べるということにかかわるすべての周辺も含む文化なのだ、と、ここへ行って満足するたびに思うのでした。


次回の香港でもまたカプリスに行ってしまうだろうなー。帰り際にうかがったところではシェフチームは最低あと1年は香港にいらっしゃるそう。ただし、シェフは8月半ばすぎにはお休みをとってフランスに戻るといっていましたのでご注意を。どうせ行くならシェフの留守中でないほうがいいと思いますよー。
by tekumaku_w | 2006-07-18 18:07 | eating