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by tekumaku_w

雲南より生還

中国雲南省のチベット寄り、チャンイーモウ監督作=高倉健氏主演「単騎千里を走る」の舞台となった麗江(リージャン)およびその近郊取材から戻りました! むろんえっらい山奥です。標高は2000メートル以上。行ったときはあまりなにも感じなかったのですが飛行機で一気に1日で上海まで降りてきてから、どうも眠気が抜けず、いまもまだ眠いのです。時差は1時間しかないので時差ぼけではないんだけどなぁ・・・

と思っていたらしょっちゅうチベットに行っている北京の知り合いが「私もチベットから一気に北京に降りてくると3日くらい眠さとだるさが残るので、最近は陸路で帰ってくるようにしています」との情報が。

「これってもしや宇宙飛行士が地球に戻ると一気に老けるといわれてるのと同じ現象のプチプチプチプチくらいな事態なのかなぁ」と思い始めていたので、それを聞いて「あぁやっぱりね」と納得。高度の高いところにしばらくいて、そこから下山するときは注意が必要ですね。歩いてとか、車でとか、列車でとか、じょじょにじょじょに降りてくればあまり問題ないみたいなんだけど、空路で一気におりてしまうとカラダがついていけないんでしょう。気をつけるべしです。

さてさて3年前に雲南の熱帯地方へプーアール茶の取材で行って以来、すっかり雲南マニアとなった私ですが、今回はその雲南でも北側、チベットに近い麗江周辺。ここはもちろん初めての訪問です。少数民族の宝庫といわれる雲南の中で、ここは納西(ナシ)族のエリア。納西族の特徴はどうやら歌が好きらしい、なぜなら仕事しながらでも、バーでお運びしながらでもともかくしょっちゅう歌を口ずさんでいる。歌が下手だと納西族の女子失格らしいとの情報も。

というわけですでに健さん映画をまつまでもなく、世界遺産になった段階で中国の人々がどっと訪れすっかり観光地となってしまった麗江の村。一説によれば年間800万人近い観光客が訪れているらしいのです。周辺は学校に歩いて行く農村の子供たちがわらわらいるおどかなエリアだというのに、山の上にある麗江の町の、車が入れない石畳の旧市街だけがえっらい勢いで浮きまくっているわけです。なぜなら人3人も並べばいっぱいという狭い坂道は、昼間は京都の清水さんへ向かうおみやげやさんストリートのようにすれ違うのもやっとなほどの数の観光団でにぎわい(このシーズンはほとんどが中国観光団でした)、夜には、本来は、津和野ちっくに美しい水流が流れ静かな渋いたたずまいを醸すはずの水路のあるストリートが、真っ赤なちょうちんで彩られ、両側びっしりに軒を並べる2階建て窓ナシのバー入り口に群れるギャルズ客引きが「うちのバーに寄ってよー」と歌い誘い、水路と柳と中国語を取り除けば、まるでここは六本木外苑東通りの夜10時過ぎか、といった感じ。

せ、せ、せかいいさんの村ぢゃなかったの・・・!? と渋い村落に清らかな水路というイメージを持って麗江を訪れてしまうとかなりのパンチをくらいますが、私は先乗りしていた案内隊長から「けいこさん、大変です。もう麗江の夜は六本木ですっ」と聞いていたので、あーなるほどね、とその描写が正しいことを確認するにとどまったかんじです。

バーに入るとなにがおこるかといいますと、ナシ族の伝統でどうやらバー対抗の歌合戦がはじまるんですね。たとえばバーAで「あーらえっさっさーー」みたいなかけ声で歌が始まるとその対面にあるバーBで、またそれに受け答えるような内容の歌を歌って返事し、それに対してまたバーAから歌の返事があり・・・とこれをえんえんやってるわけ。その場はすっかり青空カラオケ合戦という風情で、しかも歌歌うのがお店のお姉さんだけでなく、バーにいる客全員、またストリートをたまたま歩いてた中国の観光団も一緒になって歌っちゃうんだからものすごいことになっているわけです。

昼間もこの六本木エリアはものすごい数の観光客でにぎわっており、びっくりしたんですが、それまで快調だった携帯がこのエリアに入るやいなや電波障害ちっくに相手の声がまるで聞こえなくなったのです。おそるべし六本木。あまりにみんなが携帯で話しまくっているため、混線しちゃったのでしょうか。ともあれこのエリアに美しい雲南の田舎の風情を求めるのは無理なのでありました。

この六本木エリアは旧市街の北部分なのですが、南部分に行くと若干ユルーい昔の気分が漂い始めます。南部分の中心は木王府(ムーワンフー)という昔の貴族の御殿跡。ムーというのは木と書く一族でその昔この一帯をおさめていた一族だそうなんですね。いまでも立派な、故宮を模したという宮殿が残っています。

その広場から細道を通るとものすごい広さの青物市場につながっています。毎朝お昼ごろまでに一家の主婦はここでその日の食材を手に入れるわけで、屋根のある部分には、豆腐関係(ふつうの豆腐、固め柔らかめのほかに、干した豆腐、臭いのある豆腐も)こんにゃく、挙げ、味噌、トウチ、漬け物、きのこ類なんかがずらーっと並んでまして、外の露地には、それこそありとあらゆる野菜が地面や板やカゴの上に並びまくっているわけです。その眺めは壮観という他はなく、ただただ圧倒されます。見たことない野菜もいっぱい。

案内隊長はそこからいくつか見たことない野菜を買って持ち帰り(泊まっていたのは近所の例の木氏の宮殿の隣りのゲストハウスだったので)そこの厨房にそれらを調理させてランチにしてくれました。みずみずしい元気な野菜を朝イチで買ってそれをすぐ料理してもらって食べる。なんとぜいたくなことでしょう! さすが雲南! 夜は六本木になるとはいえ、こういうまっとうな暮らしが残っているから私は雲南が好きなのです

この続きはまた追って! 次回は偶然であった家に天然の泉が湧いてる麗江の「ぼん(お坊ちゃん)」の話をいたしましょう。

・・・・まだ8月にびっちりいた京都の話もしてないんですけどねー。したいんですけどねー。でもまぁネタが熱いうちに麗江の話をしちゃったほうがいいですよねー。っていうか明日からその京都の原稿書きに入るんですけどねー。頭が京都と麗江でぐるぐるなんですけどねー。仕方ない、頭は京都に戻しつつ、息抜きに麗江のぼんの話を進めることにいたしましょう。

そうこうするうちに明日は例の黒田師匠肌作りと新色コスメチャットと養生話の3本立てを担当したクレアの発売日です。どうぞよろしく! いま発売中のヴァンサンカンのスパページでも正しいスパとは何かという対談で登場しています(ロケ地・汐留コンラッドホテルのスパ) ハーパースバザールではアメリカンビューティについての考察文を寄稿 「NEUTRAL」にはあなたにとっての天国には、というお題で小さなコラムを そしてもしも手に取る機会があればAMEXの会員誌「departures」には東京のホテルについての文章やペニンシュラホテルグループの総統にインタビューした記事を担当しております。この夏はよく働いたなぁと実感します!
by tekumaku_w | 2006-09-06 21:09 | 旅先から